2011年05月26日
矛盾を押さえ切れなかった中国政府。電力会社の反乱に屈す。
中国の「ユニリーバ」は、「商品の値上げは避けられない」と表明。
その結果、「値上げ観測をあおった」として200万元(約2,500万円)の罰金が課された。
同じように「値上げ」を予定していた生産各社は、びっくり仰天。ひとまず値上げは見送りとした。
たとえ、原材料が「高騰」しても、製品の「値上げ」が許されない。中国は今、そんな異常な状況である。
「労働賃金」も同様である。
中国政府は、企業に労働賃金をアップするよう強要。労働者たちは、政府を盾にストライキを起こす。
その結果、生産性が向上しないままに、労賃だけが上昇。企業の収益を圧迫する。
中国の生産各社は、「原材料の高騰」、「労賃の高騰」に悲鳴を上げている。
それもこれも、「インフレ」を社会問題にしたくない中国政府による、理不尽な政策の犠牲である。
中国政府にとっては、企業が多少潰れることは何でもない。むしろ、10億を超える民衆に蜂起されるほうが、よっぽど恐ろしいのである。
ところが、政府に唯々諾々と従う企業ばかりではなかった。
電力会社が反撃に出た。
「設備の点検・修理と称して、発電を停止した」のである。
電力企業は、原料である石炭の価格が「暴騰」したため、「発電すればするほど赤字になる」状態だった。
そこで「値上げ」を図るも、例のごとく、政府によって阻止される。
やむなく、「設備の点検・修理」という隠れミノに身を潜め、電力を止めたのである。
「半分以上の発電施設を点検に回す企業まで出ているという」。
5月18日、折れたのは政府のほうだった。
「やむをえず一部地域の電気料金の引き上げを認める方針を固めた」。
中国各地で深刻な電力不足を起こしてまで抵抗した電力会社。一か八かの大博打は、ギリギリで勝利した。
この一事は「中国の現体制の下では、天変地異を予感させるほどの画期的な出来事」と評されている。
中国政府は、今まで「強大な力」で社会の「矛盾」を押さえつけてきた。
ところが、今回の件では、押さえ切れずに「ボロ」を出した。
中国政府の「無理」が極まって、「道理」が顔を出しつつあるようだ。
アメリカを蹴っとばし、中国を受け入れる「パキスタン」。ビンラディン氏殺害の怨み。
アメリカは、「パキスタン」に無断で侵入し、ビンラディン氏を殺害した。
パキスタンは、この一事に「国家的侮辱」と憤(いきどお)る。
「パキスタンは、指導者がアメリカに向け2文字のメッセージを送るのを待っている。Good Byeの2文字を」。
パキスタンは隣の大国インドに対抗するために、アメリカとは長らく同盟関係にあった。しかし、その関係も変化の時を迎えようとしている。
アメリカ・パキスタンの亀裂に、すかさず付け込んできたのは「中国」である。
今月、中国はパキスタンに「新しい原発」をオープンさせた。さらにあと2基の原発契約がある(中国やパキスタンは、福島の事故に怯むような国家ではない)。
中国はパキスタンの「巨大ダム建設」も請け負った。総事業費12億ドル(1,000億円)。将来的に、中国はパキスタンの電力部門に100〜150億ドル(1兆円)の投資を計画しているそうだ。
パキスタンのメディアは伝える。
「中国との関係はヒマラヤより高くそびえ、海よりも深い」
中国は7000万元(8億8千万円)の無償資金、1億元(12億6千万円)の低利借款をパキスタンに提供する。
パキスタン空軍は戦闘機を中国と共同開発。パキスタン海軍はフリゲート艦の貸与と潜水艦隊の訓練を中国に希望。
極めつけに、パキスタンの「グワダル港(中国が造った)」を、今後中国海軍が自由に利用する可能性を示唆してきている。
「パキスタンの望むものはどんなものでも中国は与えてくれた。資金をくれたし戦闘機もくれた」
エネルギー・お金・軍隊と、あらゆる面で中国とパキスタンは、すでに密接な関係にある。
パキスタンは、「形だけ」のアメリカとの関係を捨て、「実のある」中国との関係を重視していく姿勢を鮮明にしてきている。
漁師のサラリーマン化は、是か非か?The Economist
「漁師のサラリーマン化」
辣腕でなる村井知事(宮城)の提案である。
「宮城の海で、民間企業が漁をするのを認める」提案は、地元漁師たちの怒りに火をつけた。
「漁師の根性」としては、受け入れ難い。
しかし、高齢化著しい漁師たちに、新しい復興の道は見出せていない。漁師の中には「民間企業の参入」を期待する声も多いという。もちろん、大声では言えないが。
「大きな変革がある時は、つねに痛みがあるものだ」と村井知事は怯まない。彼には、漁師たちの「声なき声」が聞こえているかのようだ。畢竟、猛烈に反対しているのは「漁協」なのである。
現実問題、借金が残る設備を丸ごと失った今、新たな借金をして事業を始められる「個人」はどれほどいるのであろうか?
勇敢さの欠ける公人の中で、村井知事は敢然と気を吐いている。
かたや、世界の眼は、国の最高指導者「菅首相」の指導力を疑ってかかっている。
「政治的な綱引き」に精をだすのみで、肝心の公的支出を渋っていると批判的である。
災いを福に転ずるためには、「足を引っ張っていた過去」と決別する必要がある。
大震災によって、国が傾くのか、それとも大きく跳び上がるのか。
世界の眼は、今、日本を注視している。
2011年05月23日
なぜアメリカ大統領にアイルランド系が多いのか?オバマ大統領もそうである。
オバマ大統領は「靴職人」の息子。
彼の母方の祖先はアイルランドの小さな村(マネーゴール村)に暮らしていたが、「ジャガイモ飢饉が続く1850年、19歳でアメリカに移住した」。
つまり、オバマ大統領は「アイルランド系」米国人大統領なのである。
「アイルランド系」米国人初の大統領は、「ジョン・F・ケネディ氏」。
ケネディ氏の祖先は、オバマ大統領の祖先がアメリカへ渡った「2日後」に、「同じ港からアメリカに渡った」のだそうな。
のちにアメリカ大統領を輩出する偉大な祖先たちが、アイルランドを去らざるをえなかった「ジャガイモ飢饉」。当時の人口800万人のうち、100万人もの死者が出たという。
大飢饉に耐え切れなくなった100万人のアイルランド人たちが、この時アメリカへ渡ったと伝わる。
現在、アメリカに住む「アイルランド系」移民は4千万人以上。アメリカの総人口の10数%にのぼる。
アメリカはもともと「イギリス」の植民地だったため、「反英」の気運が高かった。それはイギリスに支配されてきたアイルランドも然り。
同じ「反英」の旗のもと、アメリカ人とアイルランド人は意気投合。「アイルランド系」移民が多くの大統領を輩出した理由はここにある。
ちなみにレーガン氏やクリントン氏も「アイルランド系」である。
次期ロシア大統領を巡る、欧米メディアのカラ騒ぎ。
ロシアの大統領選挙は2012年3月。もう一年を切った。
現在の大統領はメドベージェフ氏、首相はプーチン氏。
欧米のメディアは「善玉・メドベージェフ」「悪玉・プーチン」の図式を好んで使う。
自由を求める善玉・メドベージェフ、旧体制を死守するプーチン。欧米メディアは事あるごとに両者を対立させて楽しむ。
「リビア爆撃を巡り両者は対立」、「メドベージェフ大統領は国営企業からプーチン首相派を一掃しようとしている」といった具合である。
しかし、ロシア国民は思いのほか冷静で「メドベージェフ大統領とプーチン首相の間に軋轢(あつれき)は存在せず、メディアや政治家がそれを言いふらしているだけ」と淡々としている。
ロシア国民が冷めているのには理由がある。リーマンショック以来、ロシア経済は沈滞しているのだ。そのせいで、国民は「誰が大統領でも同じだよ」とどこか投げヤリなのである。
世論調査では、「選挙に行く」との回答はたった27%。前回の55%から急降下である。
どこの国でも、庶民は金になる仕事を求めている。高尚な政治理念などは二の次、三の次。自由も保守も関係ない。

