2011年06月15日

ヨーロッパ最後の独裁国家「ベラルーシ」。ルカシェンコ大統領の失政。




ヨーロッパ最後の「独裁国家」とは?

「ベラルーシ」である。

かつては、アメリカのジョージ・ブッシュ元大統領に「悪」の烙印を押され、経済制裁を課される。その流れのまま、2008年以来、両国の国交は断絶している。



元は「ソ連」として、ロシアと一体だったが、ソ連崩壊とともに「独立(1991)」。今世紀に入り、ロシアとは「犬猿の仲」が続いている。

「犬猿の仲」とはいえ、ロシアとベラルーシは、隣国同士。ベラルーシの輸出入の半分以上はロシア相手。「腐れ縁」である。



「腐れ縁」なだけに、いざこざは絶えない。

ロシアがベラルーシへのガスを値上げしても、ベラルーシは値上げ分を払わない。

ロシアがクレームをつけると、ベラルーシは「天然ガスの通過料を払え」とロシアに迫る(ロシアは欧州に天然ガスを輸出するのに、ベラルーシを通過する)。



それもこれも、ベラルーシの独裁者「ルカシェンコ大統領」の強烈な個性によるものだ。

アメリカ、ロシアを敵に回して、怯むところがない。

ロシアのプーチン首相、メドベージェフ大統領は、そろってルカシェンコ大統領を嫌悪。メドベージェフ大統領は、ルカシェンコ大統領と顔も合わせない。



ルカシェンコ大統領の任期は、昨年で終わるはずだったが、憲法の禁止条項を撤廃。猛烈に非難の嵐が吹き荒れる中、禁じられた「4選」を果たした。

野党の大統領候補9人中7人を拘束したという、いわく付きの勝利には、国内で数万人の抗議デモが巻き起こった。



そんな暴君に国は治まっているのか?

現在、大変なことになっている。

通貨ベラルーシ・ルーブルは、対ドルで35%の暴落(5月23日)。ドル円で例えれば、1ドル80円が、一日で1ドル108円になったようなものである。

今年のインフレ率は、39%にまで上る勢い。緊急措置として、公務員の給料や生活必需品の価格を凍結。

国民は買いだめに奔走し、外貨への両替に列をなす。

石油・ガスの価格上昇、貿易赤字により、外貨は激減。

他国の支援なしには、立ち行かない状態に陥ってしまった。



ヨーロッパ最後の独裁国家には、悲しい歴史もある。

チェルノブイリの放射能事故である。

風に流れた放射性物質の7割が、ベラルーシに漂着し、国土の3分の2が汚染された。

 広島の500倍とも言われる汚染に、甲状腺ガンが続発。小児ガンの発生率も異様に高い。

事故以来、主要な輸出品であった農産物は、他国に敬遠されるようになった。



放射能から、暴君による経済危機へ。

ベラルーシに平穏が訪れる日は、いつのこと。


posted by 四代目 at 13:19| Comment(0) | 政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年06月13日

菅政権のはかなさ。イギリスで不人気の自民党。



毎年恒例の「首相交代」が、そろそろ近づいて来ているようだ。

内閣不信任案をめぐる稚拙な駆け引きは、国内で失笑を買った。

そんな日本の政局を、海外はどのように報じているのだろうか?



イギリス・エコノミスト誌を開いてみよう。

「民主党と自民党は2人の年老いた酔っぱらいのように、互いの腕の中に倒れ込むだけの可能性が高い。」

大連立など、「もってのほか」の論調である。



とりわけ自民党に対しては「辛辣」だ。

「自民党は戦術的優位に立つために国益を犠牲にした。」

「(自民党は)規制が緩く自信過剰な原子力業界を生み出した。」

「自民党には政権に返り咲く資格はなく、むしろ晒し者の刑に処され、放射能で汚染された福島の野菜を投げつけられるのがふさわしい。」

エコノミスト誌は、自民党を蛇蝎のごとく嫌っているかの厳しさである。



日本の政局の混迷に、海外は震災の被災者の身を案じている。

実際、被災地の復興は、遅れに遅れている。

本来の最優先事項が、政治の権力闘争に押し退けられてしまった‥‥。



昨年、菅氏が首相に就任し、官邸に引っ越したとき、妻の伸子さんは、

「政権が長続きしないかもしれないから、夏服しか持ってきていない。」

と笑っていたという。



幸いにも、冬を越すことはできたが、春を迎えようという、その矢先に大地震。

動きの鈍い菅政権は、見えない瓦礫に押し潰されてしまった。

次の冬は、間違っても官邸に居られそうにない。


posted by 四代目 at 11:50| Comment(1) | 政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年06月07日

睨み合うアメリカとイスラエル。凍てつく関係が、米流・民主主義の矛盾を露呈する。



イスラエルは、中東におけるアメリカの最大の同盟国。

ところが、「アメリカのユダヤ系社会には、オバマ大統領への不信感が芽生えている」という。

アメリカが先ごろ示した「中東和平」の指針が、「イスラエルに不利」なものだったためである。

その結果、アメリカとイスラエルは、「ここ30年で最悪」の関係となった。

ニューヨーク・タイムズは、これを受け、「凍りつくような関係」と表現。



イスラエルが揉めているのは、「パレスチナ」。

パレスチナ自治政府は、9月の国連総会で、「パレスチナ国家」の承認を目指している。

パレスチナ国家の承認は、イスラエルとして決して認められるものではない(イスラエルは国連加盟国26国から国家として承認されていない)。



アメリカは5大国の一つとして、国連では「拒否権」を持つが、はたしてアメリカは、パレスチナの国家承認に「拒否」を示すのか。

「拒否」すれば、アメリカとアラブ世界の断絶は決定的。

「拒否」しなければ、最大の同盟国イスラエルとの関係悪化は決定的。

9月の国連を前に、アメリカは「王手・飛車とり」に追い込まれている。



来年の大統領選挙を前に、オバマ氏はイスラエルの信頼を、これ以上失うわけにはいかない。

イスラエルとの関係悪化は、先述のように、アメリカ国内のユダヤ系社会の離反を招く。

アメリカ国内のユダヤ人は、少数ながらも、選挙の結果を左右しかねないほどに強い影響力を持つ。



アラブ世界の民主化革命は、民主主義のチャンピオン・アメリカを苦しめている。

民主化を先導してきたはずのアメリカが、民主化によって馬脚を表そうとしている。

ここに、アメリカの唱える民主主義の「矛盾」が存在する。



posted by 四代目 at 08:41| Comment(0) | 政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年06月06日

日本政治の茶番に「亡国の兆し」をみるイギリス誌。



内閣不信任案を否決に持ち込んだ菅首相。

心ある日本人は、恥も外聞もない彼の醜態に「袋」でもかぶせておきたいと思ったに違いない。



残念ながら、国家元首の言動は世界に「拡散」された。

イギリスのフィナンシャル・タイムズは、菅首相の醜態をこう伝える。

「政治的な血を求めて吠え立てる、何のためにもならない光景を見させられた。」

見たくもない動物の争いを、不幸にも目にしてしまったかのような表現である。

フィナンシャル・タイムズの記事は、そのまま、大震災の被災者に対する同情へと筆を進める。



「皇帝ネロはローマが燃える間、バイオリンを弾いていた」

「日本の政治家たちは、それほど美しい旋律を奏でない」

「少なくとも、もっと良いムード音楽を提供する努力くらいできるはずだ」



posted by 四代目 at 07:37| Comment(0) | 政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

消費税は高齢者のためにある。儒教思想に根ざす論理と、その矛盾。

日本の政治家にとって「鬼門」にあたる「消費税」。

現在5%の消費税を、2倍の10%に「増税」しようという話である。



「消費税」の使い道は、明確に定められている。

「高齢者3経費」に使われるのである。

高齢者3経費とは、「年金」「医療」「介護」である。



要するに「社会保障」の費用である。

「高齢者3経費」は、社会保障費の「約6割」を占める主役級存在。

日本の税金は、半分以上が社会保障に使われている。

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現在の消費税による税収は「6.8兆円」。

この収入額は10年前とほとんど変わらず、ずっと7兆円前後で推移している。

この先の10年も、過去10年と同じ「横ばい」が続くと見られている。



ところが、「高齢者3経費」は、10年前に比べ右肩上がりに「ほぼ倍増」。

この先の10年では、さらに現在の1.5倍の規模に膨れ上がると見られている。

日本の高度成長期のGDP顔負けの「急成長」である。



実は、高齢者3経費に充てられる「消費税」は、最初から足りていなかった。

10年前の不足分は「5,000億円」。現在の不足額は「9.8兆円(10年前の約20倍)。

今後10年に見込まれる不足額は「16.3兆円(現在の約1.6倍)」

まったく危機的な状況であり、ほおっておけば悪化の一途である。

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最初から足りていなかった「消費税」構想。

小さな問題が、いまや20倍に猛拡大。問題の「先送り」が招いた結果である。

千里の堤も「アリの一穴」から崩れるということを忘れてはならない。



高齢者のために使われる消費税。

その理解を得るためには、「儒教」的思想が必要である。



「儒教」とは、古代中国において「孔子」が説いた教えであり、現代の「道徳」にあたる。

「孔子」の言行を弟子達が記した書物が、「論語(子曰く〜)」である。



「儒教」の説く人間関係は5つ。

父子・夫婦・兄弟姉妹・友人間・統治者と民衆間

この内、とりわけ重視されるのは、「父子」関係。具体的には、「年上の人を敬(うやま)う」ということである。

儒教世界において、一番偉いのは「老人」ということになり、若者が稼いだお金を「老人」のために使うというのは、「尊い行為」となる。

これは、まさに消費税の論理と軌を一にする。



現在、儒教の祖「孔子」の「論語」を、子供たちに読み聞かせることが流行っているという。

儒教思想は、老人を助ける。子供たちに儒教を教えるということは、のちのち老人となる自分たちのためにもなる。

「論語ブーム」は、少子高齢化社会における、無意識の防衛反応なのかもしれない。



しかし、ここで強調しておくのは、儒教は「徳治」政治が基になっているということである。

「君主は道徳的に卓越していなければならない」

ペテンとも思える、先頃の国家元首の言動はどうか?小学生並みに「言った、言わない」をワーワーやりあっている。

これは、「政治の倫理」を説く儒教が、強く否定するところである。

「徳なくば、人従わず」。まず自己の完成があり、次に他者の完成。そしてようやく社会の完成がある。

国家元首の範なくして、儒教的思想は唱えることはできない。



データをならべて説得しようとする試みは、じつにアメリカ的である。

アメリカ的思想は、個人の責任に根ざすもので、その帰結は「低福祉国家」であり、老人を敬うという儒教的思想の対極をなすものである。



つまり、徳のない人物(政党)が、がんばって数字を掲げても、消費税増税の大儀はえられない。

むしろ、数字を力説すればするほど、消費税の大儀からは遠ざかってゆくこととなる。

この美しき矛盾があるかぎり、消費税増税の論議は、空を舞うのみである。



出典・参考:儒教(Confucianism)

時論公論 「“消費税10%提言”の課題」
posted by 四代目 at 06:05| Comment(0) | 政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする