2011年04月03日

山火事が生む新しい命

山火事などはそうそう起こるものではないと
勝手に思っていたが、そうとも限らないようだ。

カナダ中央部のノースウッズと呼ばれる広大な森は、
日本の国土の4倍という広大さ。

これほど広いと、
どっかこっかで山火事は起きるものらしい。
100年に一度は同じ場所が焼けるのだそうだ。

2005年の山火事は大きかった。
落雷に端を発し、3日間燃え続ける。

雨で火の手は収まるも、その間、5000haもの森を焼失。
残されたのは、黒焦げの木の幹だけだった。
豊かな森林は、突如として荒野となった。

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しかし、そこに悲壮感はなかった。
すでに新しい生命が始まっていたからだ。

「バンクス松」という松のマツボックリは、
約50℃で傘が割れ、種子を散らす。

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カナダ北部にあって、
気温が50℃を越えることは、まずない。

つまり、山火事がなければ、
この松は種をこぼせないのだ。

ということは、バンクス松にとって、
山火事は「織り込み済み」どころか、
ある意味、山火事を待ってすらいるのだ。

先の大火事で蒔かれたバンクス松の種は、
鎮火の直後から芽吹きはじめ、
6年後の現在、小さな森にまで成長した。

きっとこの森は、次の100年を謳歌するのであろう。

matsu4.jpg

この地の写真を長年撮り続けている大竹英洋氏は言う。

「一つの森は終わったけれど、
それが一つの始まりだった。
悲しさはなかった。
命のサイクルとはこういうものなのだ。」


出典:NHKプレミアム8 ワイルドライフ
「カナダ ノースウッズ バイソン群れる原生林を行く」
posted by 四代目 at 08:43| Comment(0) | 植物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする