2011年07月19日

生命の起源は海の中。明らかにされつつある太古の神秘。

オーストラリアで大発見があった。

35億年前の岩石から、「メタン」の気泡と、最古とされる「生物の化石」が発見されたのである。

現在は陸上にあるというこれらの岩石は、35億年前には深い深い深海にあったのだという。

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生命が誕生した場所は、母なる海であるとされる。

というのも、大昔の地球には、現在のような「大気」が存在しなかった。「大気」が存在しなければ、太陽の「紫外線」が直接地表に降り注ぐことになる。

生命にとって、「紫外線」は有害であり、その光線によってDNAが壊されてしまう。とてもではないが、そうした環境のもと、地表で生物が生存することはできなかった。



海が地球に存在するようになって、ようやく生物が有害な光を避けられる場所を確保することが出来るようになったのである。それが、光の届かない「深海」であった。

有害光線の「紫外線」を、遮断してくれる「大気」の形成は、「酸素」の登場を待たなければならない。



今では、我々の生存に欠かせない「酸素」は、かつて地球上にサッパリなかったのである。

何があったかというと、「二酸化炭素」や「水素」である。

二酸化炭素と水素だけでは、生命が誕生することはない。ここにもう一人の役者が必要である。その重要人物が、「鉱物」であると考えられている。

海底の「鉱物」の仲立ちがあって初めて、二酸化炭素と酸素が結合。その結果、ピルビン酸などの「有機物」が形成される。それらは次第に複雑さを増していき、アミノ酸などのタンパク質にまでつながっていく。



生命の誕生に必要だったものは、「二酸化炭素」と「水素」、そして「鉱物」だったことになる。

アメリカのカーネギー研究所では、このシンプルな素材をもとに有機物を生成する実験を成功させており、20年あれば、生物を誕生させる自信があると公言している。

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生物の発生は、光の届かない真っ暗な「海の底」で始まった。

先述のとおり、光の届くところには、生命を死滅させる「紫外線」が降り注いでいるために、間違っても明るいところへは出られなかったのである。



「二酸化炭素」と「水素」は、有機物の他に、「メタン」や「硫化水素」の生成も促した。

「メタン」や「硫化水素」というのは、人間にとって「猛毒」であり、一呼吸しただけで死んでしまうほどである。

ところが、原始的な微生物たちは、これらの猛毒をエサとした。

現在の深海に住む生物たちも、「メタン」や「硫化水素」をエサとする微生物をたよりに生きている。それらの微生物を体内に取り込んだり、直接エサとして食べたりするのである。

深海に住むエビやザリガニがそうである。

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「酸素」が登場するのは、微生物たちが「光合成」をするようになってからである。

暗闇の世界から、じょじょに明るい世界に適応していき、ついにはお馴染みの「光合成」が始まるのである。そして、光合成の副産物として生まれたのが「酸素」である。



このころの「酸素」は、誰も利用するものがなく、ゴミとして海中に溶け込んでいくのみ。

海中が「酸素」を溶かしきれなくなると、ようやく「酸素」は空気中へと放出され始める。空気中に出た「酸素」は、有害な「紫外線」と反応して、「オゾン」をつくる。

そして、この「オゾン」が有害な「紫外線」を地表から守ることになる。

ここまできて、ようやく「酸素」を利用する生物が登場する「下地」が完成するのである。



「酸素」を利用する生物たちの躍進は凄まじかった。

それもそのはず。酸素の生み出すエネルギーは、無酸素の18倍。

酸素を利用するようになって以来、単純計算で、進化のスピードが18倍になったのである。



しかし、「酸素」はその強力さゆえに、「諸刃の剣」でもあった。

人間を「老化」させたり、「病気」にさせたりするのも、「酸素」である。

大気中の酸素は、およそ20%であるが、それ以上の酸素は人間を害することとなる。逆にそれ以下でも、生存が危ぶまれる(高山病など)。

我々は絶妙な酸素濃度の上を、「綱渡り」しているようなものである。



現代文明は、この毒ともなる「酸素」を過剰化させる危険を増大させている。

酸素の変種に、「活性酸素」というのがあるが、このパワーは通常の酸素の何倍も強い。

その強さを利用して、人間の身体は外部侵入者(細菌・病原菌)から守られているのだが、「活性酸素」が多くなりすぎると、その矛先は人間を向き、身体を壊す原因となる。

体内の酸素に対する「活性酸素」の割合は、2%。この割合が、絶妙な割合なのであるが、現代文明は、このバランスを崩す危険に満ちているのである。



タバコ・アルコールがそうであり、農薬・化学物質もそうである。

さらには、食品に添加される物質、パソコンの電磁波なども、活性酸素を過剰に発生させる。

福島原発事故による放射線もそうである。



現代文明の産物である便利なものの数々は、「活性酸素」の大好物ばかりなのである。

進化を爆発的に進めた「酸素」も強烈な存在であったが、「活性酸素」は、それに輪をかけた強烈さのために、人類の生存を脅かしかねない存在となっている。



「活性酸素」に対抗する術は、現代文明から少し距離を置くことかもしれない。

また、「抗酸化物質(ビタミン・フラボノイド・ポリフェノール)」などを体内に取り込むのも効果的である。

個人的な対処法は、種々ある。



しかし、地球規模の問題となると、なかなか厄介である。

その一つが「紫外線」である。太古の生命の大敵であった「紫外線」は、依然生命の脅威であることに変わりがない。

「紫外線」は「活性酸素」を増大させる。

さらに悪いことには、「紫外線」は、「活性酸素」の中でも、一番凶悪な「ヒドロキシラジカル」を作り出すのである。



気球規模の環境破壊、温暖化、オゾン層破壊……。地球には、今までよりもたくさんの「紫外線」が降り注ぐ環境になりつつある。

かつては、酸素が「オゾン」となり、紫外線を防ぎ、陸上生物が謳歌する環境を整えてくれたのだが、今は再びバランスが崩れようとしている。

酸素により繁栄した生物たちは、その酸素により、繁栄の道を閉ざされることになるかもしれない。

言ってみれば、現代文明、それ自体が活性酸素のようなもので、「急速な発展」と「危険の増大」が背中合わせになっていた。



酸素を利用する生物の歴史は、長く見ても10億年。かたや、酸素を使わない生物の歴史は、40億年。

太古の生物にとっては、酸素生物はまだまだ若輩である。

地球には、深海などに代表される「酸素」のない世界は、陸上の何倍も広がっている。太古の生物は、40億年の長きにわたり生命をつなぎ、今に至っていると考えられる。



近年の「深海」探査は、こうした原初の生物の探索をも行っている。

まだ、生きた状態での捕獲には成功していないが、DNAの痕跡などは見つかっている。

「生命=光=酸素」と考えるのは、あまりに限定的である。

じつは、「生命=闇=猛毒(硫化水素)」という図式のほうが、メジャーである可能性もある。

知れば知るほどに、謙虚にならざるをえない。万物の霊長という呼び名は、改めたほうが良いかもしれない。



出典:NHKスペシャル
「深海大探査 生命誕生の謎に迫る」

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2011年06月29日

2つの海流が育んだ、日本列島の奇跡。水の国はこうしてできた。

地球儀をクルリと一周させると、日本と同じ高さには、世界の「巨大砂漠」が居並ぶ。

ゴビ砂漠、タクラマカン砂漠、サハラ砂漠‥などなど。

日本は、地球上の砂漠ベルトと同じ緯度に位置している。それにも関わらず、日本ほど「水」に恵まれた国は、世界でもマレである。

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なぜか?

お察しの通り、「海」が日本列島に「水分」を供給してくれるのである。

日本の東、太平洋を流れる「黒潮」は、赤道付近の、水温は20℃になろうかという温かい海の水を、一気に日本列島まで運んでくれる。

時には、「台風」などの激しい形をとりながらも、黒潮の果たす功績は実に大きい。



日本の西、日本海には「対馬暖流」が流れる。

黒潮から枝分かれして日本海に入るこの海流は、冬のシベリア寒気団と相まって、日本海側に豪雪をもたらすこととなる。

対馬暖流は、冬の厳しい寒さという困ったお土産とともに、やはり日本を豊かにしてくれている。

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東に黒潮、西に対馬暖流。

これらは、暑く湿った「夏」と、乾燥しながらも大量の雪を降らせる「冬」を、日本列島にもたらしてくれる。

その結果、四季を通じて、水に事欠かない「水の国」日本が誕生した。これが、砂漠ベルトにあってなお、干からびることは決してない日本列島の秘密である。



しかし、黒潮、対馬暖流は、もともと日本の近くを流れていたものではなかったという。

かつての黒潮は、赤道から東南アジアを通過してインド洋に抜けていた。その流れが変わるのは、オーストラリア・東南アジアが地殻変動により、北上したためである。

地殻の北上とともに、黒潮は大きく北方向(日本の方向)に捻じ曲げられ、日本に沿って流れるようになる。これは1700万年前の話である。

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対馬暖流もしかり。

度重なる氷河期は、日本列島をユーラシア大陸から切り離した。

そして、朝鮮半島と九州の間にできたすき間に、黒潮の一部が滑り込む。これが対馬暖流となった。こちらは、260万年前の話である。



歴史の必然により、日本列島は水で満たされた。

海流の運ぶ水分は、日本に「四季のメリハリ」をもたらし、奇跡的なほど多様な種(しゅ)を育むこととなった。

現在確認されているだけでも、9万種は下らない。八百万といわれるほど多くの神々が住む列島は、神々の数のみならず、動植物の多様性も世界一なのである。



日本に暮らす動植物たちは、「水」に関わりをもちながら進化していった。

特徴的なのが、水際で暮らす「両生類(カエルなど)」の種類が、日本でダントツ多いことである。大サンショウ魚が今も生息できるのは、とりわけ貴重である。

世界では水に住まない「ホタル」も、日本では普通に水辺に生息する。

世界では熱帯の森に暮らす「サル」も、日本では「ニホンザル」となり、冬場の温泉を住処とする。時には、水中に潜ってエサをとったりもする。

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日本では、「水がある」ことがあまりにも普通のことである。

しかし、それは地球的には珍しいことなのである。

たいてい、雨期と乾期というものがあるものだが、日本では年中雨が降り、梅雨の時期などは、いらぬほどの雨が降る。雨期と超雨期があるようなものだ。



これも、夏の黒潮、冬の対馬暖流の成せるワザである。

この両海流は、夏に太平洋側、冬は日本海側を、まんべんなく湿らせてくれる。

海の恵みは「お魚」ばかりではない。本当の恵みは、日本を湿らす「水分」なのである。



日本の美しい森は、海の恵み、その湿り気のおかげである。

そして、豊かな山々は、蓄えた養分を川を通して、海へと返す。

その養分は、日本近海の豊かな漁場を形成する。

海の恵みは、山に恵みをもたらし、山の恵みは海を豊かにする。

見事なまでの、好循環である。




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オババのいる4000年の森。山は焼くからこそ若返る。

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最悪の山火事からの再生。森のもつ深遠なダイナミズム



出典:NHKスペシャル ホットスポット 
最後の楽園 第6回「日本 私たちの奇跡の島」

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2011年06月20日

日本にも竜巻は発生する。竜巻の発生メカニズム。

日本の「地震」に対する危機意識・防災対策は、世界でもトップクラスである。

ところで、「竜巻」はどうか?

「アメリカの中西部じゃあるまいし、日本じゃ竜巻は起きないよ」と思っている人が大多数であろう。



ところが、アメリカほど大規模ではないものの、日本でも一年間に20個くらいは「竜巻」が発生している。

「どうせ、九州や南の方だろう」

いやいや、日本全国で、竜巻が発生したことのない都道府県はない。竜巻は日本全国で起こりうる災害なのである。

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竜巻は条件さえ揃えば、一年中発生する。実際、日本国内でも竜巻の発生しない月はない。

その中で、特に多いのが「9〜11月」。

竜巻の発生には、台風が深く関わっているためである。

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竜巻の発生に必要な条件は、「上昇気流」と「横風」である。

前線で発生する「上昇気流」に、台風の「横風」が絡んでくると、上に昇る空気の流れに「ヒネリ」が加わり、それが竜巻となる。

「梅雨前線」と「台風」が絡んで起きたのが、今回の石垣島の竜巻である。

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日本の竜巻の風速は、秒速33〜49メートル。時速にすれば120〜180キロの暴風。

この風にのれば、あらゆるものが凶器・弾丸と化す。

ベランダのサンダル一つが飛んできても、その衝撃は40kgの重量物をぶつけられるのに等しい。小石ですら、マシンガンと化す。

竜巻の風は、家のガラスめがけて何でもかんでも投げつけてくる。窓の近くは、最危険地帯である。ガラスのないトイレなどは避難先になる。



竜巻は予測できないのか?

残念ながら、気象庁の予測は、ほとんど当てにならない。

日本の竜巻の大きさは、直径数10メートル。あまりにも局所的な現象のため、予測はほぼ不可能。突然やって来て、突然終わる。



ただ、前兆はあるという。

今回被害にあった石垣島の人が言うには、竜巻の直前に「空が暗くなった」「雷が鳴り響いた」「とんでもない轟音とともに強風が来た」などなど。

視認できる最大の目安は、「積乱雲(入道雲)」である。

竜巻の発生に上昇気流は欠かせない。上昇気流が目に見える形をとったのが積乱雲である。

竜巻ハンターたちは、積乱雲を追いかける。



近年の黒潮の水温上昇は、竜巻を凶暴化させかねない。

日本にも竜巻は来るということを、頭の片隅に置いておくのは、決して無駄ではない。

飛んでくる物から、身を守ろうとさえすれば、被害を軽減できる。

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今年のアメリカの竜巻は、75年ぶりとも言われる大災害を巻き起こした。

日本の地震も然り、近年の自然災害の規模は、想定を越えてくる。




posted by 四代目 at 06:22| Comment(4) | 自然 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年06月07日

巨大竜巻から住民を守った「英雄」クリストファー・ルーカス。



日本は大地震・大津波の天災に見舞われたが、アメリカでは「竜巻」が猛威を奮っている。

大災害はあらゆるものをブチ壊すと同時に、時折、「英雄」をも生み出す。

ピザ屋の店主、「クリストファー・ルーカス」氏も、そうした「英雄」の一人だ。



そのとき、アメリカ・ミズーリ州ジョプリンを直撃した竜巻は、風速90mと言われる。

風速90mとは?

「住家がバラバラになってあたりに飛散し、弱い非住家は跡形なく吹き飛ばされてしまう。鉄骨づくりでもペシャンコ。列車が吹き飛ばされ、自動車は何十メートルも空中飛行する。1 トン以上もある物体が降ってきて、危険この上ない。」(はてなキーワードより)

想像を絶する巨大竜巻である。



迫り来る竜巻を、遠目に見たルーカス氏。

住民たちを避難させようと、できるだけ多くの人々を、「大型冷凍室」に急いで呼び集める。

ところが、この「大型冷凍室」、中から扉を閉めることができないタイプだった。

つまり、誰かが中に入らずに、外側から扉を閉めなければならなかった。

ルーカス氏は、集まった住民たち全員が「冷凍室」に無事入るのを見届けると、自身は外側から扉を閉めた。



外にいるルーカス氏は?

巨大竜巻を横目に見ながら、ロープを探してきて、フッ飛ばされないように安全を確保。

「彼は、力尽きるまでロープにしがみついていた。」

「しかし、彼は想像を絶する嵐の力に引っ張られていった。」

車ですらオモチャのように吹き飛ぶ竜巻に、人間が耐えられようはずはなかった。

幸いにも、冷凍室の中の住民は、奇跡的に生き残った。



2児の父親であった、ルーカス氏。

彼の作るピザは、もう食べることはできない。

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2011年05月31日

略奪的な漁法に異議アリ! マグロが絶滅する前に、小さな漁師たちが絶滅する。



絶滅危惧種「地元の漁師さん」を救おうと、地中海の国「イタリア」において、「ヘンな魚」を食べようと呼びかけるイベントが開催された。

漁師のロベルト氏は語る。

「安っぽい魚に戻るべき時が来たんだ。おバアちゃんが昔食べていたような魚にね」



マグロやカジキ、ウナギなどは「絶滅の危険性」が高まりつつある。

「金儲け」狙いのトロール漁船は、大量の魚たちを略奪的に殺してしまう。

儲けが出なければ、大量に殺した魚を「海に捨てる」ことも厭(いと)わない。

昔ながらの小さな漁師たちは、魚の少なくなった地中海を眺めて、呆然とする他ない。



巨大な人気魚は、美味しいのは確かだが、生態系の上のほうにいるため、「汚染物質」が濃縮されている危険性がある。

「シャケは脂肪分が多く、船舶からの廃棄物などの『有害物質』を吸収しやすい」

「マグロは『汚染された小魚』をたくさんたべるので、『有害物質』をもっと蓄積していく」



イタリアのシェフたちも、腕まくりで料理を振舞う。

「安っぽい魚を、うまい魚料理に変えるのが、俺たちのウデの見せどころさ」

「マグロを10年食べなくても、誰も餓死しない。それより、20年後、子ども達にマグロが泳ぐ姿を見せてあげたいよ」。



posted by 四代目 at 13:44| Comment(0) | 自然 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする