2011年05月19日

エネルギー革命は庶民が起こす。太陽光発電の明るすぎる未来。

原発問題により、電力供給の根幹が揺らいだ。

国民感情として、原発は止めて欲しいというのが圧倒的な声だ。では、その代わりは?と問えば、「太陽光」という声が多く聞かれる。

複雑怪奇で意味不明の原発より、シンプルで馴染み深い太陽光は抜群の人気がある。



太陽光発電の普及には、2つの大きな課題がある。

一つ目は、技術レベルの低さ。現在の変換効率はおよそ20%程度。充分な電力を得るためには、膨大な面積が必要とされる。原発一基分の電力を得るには、東京ディズニーランド100個分の面積が必要である。

二つ目は、コストの高さ。自宅に太陽光パネルを設置しようとした人のなかには、そのコストの高さを知り、導入を断念した人も多いのでは。



太陽光に課題はあるが、解決策の芽はもう出ている。

変換効率を従来の2倍(40%)にすると言われるのが、「集光型」と呼ばれるシステムだ。

ドーム型のレンズで太陽光を集め、光の強さを500倍まで高めて発電するシステムである。これは、虫メガネで光を集めて、発火させるのと同じ原理。

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光を受けるパネルにも工夫がある。光を「赤・青・緑」にわけ、それぞれ別々に発電する。こうすることで無駄が減るという。これは宇宙空間(人工衛星)で使われてきた技術であり、従来のパネルでは利用できない「赤外線」も利用できる。



また、理論上では変換効率を80%にまで高められるシステムもある。「量子ドット」というシステムである。

太陽光発電の原理は、太陽の光に反応して、飛び出した電子を利用する。ところが、電子が飛び出す前に、かなり無駄な動きをしていて、飛び出すときには、すでに疲れた状態なのだという。変換効率が20%というのは、80%無駄な動きをしているという意味である。

そこで、電子が動き回るスペースを極限まで狭くする。量子レベルまで狭くする。すると、電子は無駄な動きができずに、元気な状態で飛び出してくる。

このシステムの利点は、パネルの設置面積が小さくできることである。ガソリンスタンド程度の面積でも、電気自動車の充電ステーションを作ることも可能だという。

しかし、残念ながら、「量子ドット」の変換効率は、現在16%。理論値80%には程遠い現状である。



二つ目の課題として「コスト高」があった。

これの解決策はパソコンの価格をイメージするとよくわかる。10〜20年前、パソコンは20〜30万円くらいしたと思う。ところが、今では5万円くらいで買える。

なぜ、パソコンは安くなったのか?それは普及したからである。

太陽光パネルも同じ原理があてはまる。各個人に普及するものは、「規模の経済」の力が働き、増えれば増えるほど価格が下がる。

火力や原子力は、こうはいかない。その手綱が大手企業に独占されている限り、コストが高くなることはあっても、安くなることはまずない。そして、そのツケを知らないうちに払わせられるのが、我々庶民である。



従来の発電システムは、庶民に利をもたらすと同時に、苦しめるものでもあった。ところが、個人普及型の太陽光発電などは、庶民の力が結集されればされるほど、どんどん安く便利になる可能性がある。

どちらの未来が明るいかは、自ずと明らかとなる。

パソコンが、そしてインターネットが庶民のものになったとき、何が起きたか?我々はすでにその革命を体感し、恩恵を享受している。

エネルギー革命は、庶民が参加して初めて達成される。

既得権益の亡者である大手メジャーに振り回される時代は、そろそろ終わってもいいだろう。



出典:テレビ東京
最先端“太陽光発電” その実力は・・・
posted by 四代目 at 06:26| Comment(0) | エネルギー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年05月16日

サハラ砂漠から日本へ電気を送る、気宇壮大な計画が始まっている。

日本の電気を「サハラ砂漠」でつくる。

そんな荒唐無稽な計画が、実現へ向かって歩を進めている。

サハラ砂漠の日照は、多いところで日本の2倍近く。太陽光発電にもってこいの場所だ。ところが、日本からの距離は1万キロ。どうやって電気を運ぶのか?



送電線は「穴の開いたホース」に例えられるように、運ぶ距離が長くなれば長くなるほど、損失が大きい。なぜかといえば、電線には「抵抗」があり、電気が抵抗を受けるたびに、せっかくのエネルギーが熱となって失われるからである。

では、「抵抗」のない電線はないのか?

あるのである。「超伝導」という電線は、冷やせば「抵抗」がゼロになる。通常の電線を一般道路とすれば、「超伝導」電線は高速道路。信号のたびに止められるロスがまったくない。

日本で開発された超伝導「ビスマス」は、マイナス163℃(超伝導としては高い温度)で、電気抵抗がゼロになる。「ビスマス」の電線を「液体チッソ(マイナス196℃)」に浸すことで、送電ロスのない夢の電線ができあがる。

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この実験はすでに成功している。理論的には、サハラ砂漠から日本まで、電気を失うことなく送電することができるのである。



砂漠が太陽光発電に好都合な理由は、もう一つある。

砂漠の砂から、太陽光パネルの原料である「シリコン」を作れるのである。

砂漠の砂の成分は「二酸化ケイ素(SiO2)」。これを「炭素(C)」とともに熱すれば「一酸化ケイ素(SiO)」となり、さらに「炭化ケイ素(SiC)」とともに熱を加えると、見事「シリコン(Si)」ができあがる。

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この発想は、製鉄と同じ発想である。製鉄は「鉄鉱石(Fe2O3)」と「コークス(3C)」を炉で加熱して「鉄(Fe)」をつくる。

シリコンも鉄も、素材にくっついている余分な酸素(O)を炭素(C)で取り去って作るのだ。製鉄会社は、砂漠の砂からのシリコン作りに、すでに乗り出してきている。

鉄も太陽光パネルも、かつてはニッポンのお家芸。ここに来て、夢の共演が実現しつつある。



「サハラの電気を日本へ」という構想は大胆であるが、全体図はもっと大胆である。世界中を電線で結ぼうとしているのだ。

世界のどこかは常に「昼」であり発電できる。「昼」の電気を「夜」の地域へ送れば、太陽光発電は24時間稼動可能である。

この計画にはアラブ産油国もノリ気である。彼らも「石油枯渇」後のビジョンを必要としているのだ。

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今のところ、原発を停止すれば、その不足を火力発電で補うという、綱引きの発想しかなかったが、このところ新エネルギーがメキメキ力を伸ばし、原発・火力の二頭体制をブチ壊しにかかっている。

問題は、原発や石油の既得権益者が、指をくわえて見ているかどうか?新たな利権争奪戦が懸念される。



困難はあれど、夢と希望のある話である。

かつては、ラクダの商隊がシルクロードを往来していた時代があったが、21世紀は、シルクロードが「電気の道」となる時代になるかもしれない。




「次世代エネルギー」関連記事:
日本が原発を選んだ頃、デンマークは風力発電を選んだ。そして、今…。

捨てられた熱を拾って発電する「熱電発電」。「拾う神」による新技術。

夢あふれる次世代の発電。温泉、温度差、宇宙太陽光‥‥、ドラえもんが近づいている。


出典:サイエンスZERO
「サハラ砂漠に 太陽光発電基地をつくれ!」
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2011年05月09日

ブラジルのお家芸であったエタノールが、アメリカに圧倒されている。Financial Times



「アメリカからブラジルへのエタノール輸出が、この一年間で急増」している。なんと70倍という急増ぶりである。

ブラジルは世界第2位のエタノール生産国であるのだが、昨年の生産量は3%ほどしか増えていない。エタノールの原料となるサトウキビが不作なのだ。おととしは大雨、去年は干ばつと異常気象が続いているためだ。

ブラジルの車のほとんどはガソリンとエタノールの混合燃料で走る。エタノールはブラジルの経済成長の原動力なのである。

かたやアメリカは、世界第2位のエタノール輸出国に成りあがった。ドル安の恩恵もあって、輸出の勢いは止まらない。政府の補助金のおかげもあって、業界はノリにのっている。

ブラジルはキツイ。ブラジルのエタノールは「最も安価なバイオ燃料」だったのだが、通貨レアルの高騰とともに、国際競争力がすっかり低下してしまっている。

「通貨安戦争」と口にしたのは、ブラジルのマンテガ財務相であったが、そう言いたくなるような苦境にブラジルはあったのだ。

エネルギーをめぐる覇権争いは混迷を極めてきている。


posted by 四代目 at 16:54| Comment(0) | エネルギー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年04月29日

お先真っ暗「原子力」、希望の光あふれる「天然ガス」



福島第一原発の放射能事故により、
日本における原子力発電は、いまだ必要悪でありながら、
強制終了の方向へ歩みを進めている。

原発の発電コストの割高感に加え、
賠償コストまでをも考え合わせれば、
ますますソロバンが合わなくなってくる。

原子力に替わるエネルギー源として
俄然注目を集めているのが「天然ガス」である。

北方領土でギクシャクしていた「ロシア」が
日本にLNG(液化天然ガス)の追加供給を申し出た。

これは何もロシアの親切心とは限らない。

アメリカでシェールガスという
新たな採掘方法が活発化したためだ。

アメリカは自国で天然ガスを賄えるようになり、
他国から輸入する必要がなくなった。

これで困ったのはカタールだ。
アメリカに天然ガスを輸出していたからだ。

そこでカタールはアメリカの代わりに
ヨーロッパに天然ガスを売ることにした。

それで困ったのはロシアだ。
ヨーロッパに天然ガスを売っていたのに、
ヨーロッパはカタールから買うようになったからだ。

こうして、玉突きのように押し出された形で、
ロシアの天然ガスは日本へとやってきたのである。
ロシアが東日本大震災を哀れんだわけではないだろう。

天然ガスには将来性がある。
埋蔵量が豊富なのだ。

石油はと言えば、
埋蔵量には、すでに難がでてきており、
深海や氷の海まで石油を探し回っている状態だ。

ところが、天然ガスは、
年々その埋蔵量の発見が増えている。

アメリカのシェールガスのように、
技術の進展にともない、新たな発見もある。

また、日本にとっては、石油よりも
天然ガスのほうがリスクを分散できる。

輸入先が、アジア・オセアニア・中東・ロシアと
地域的に分散しているからである。

資源を少数の国に依存する危険性は、
尖閣問題で中国がレアアース輸出をストップした事件で、
日本人は骨身にしみてわかっている。

何より、現在の円高を利用すれば、
今のうちに「外国でのガス田の権益を確保する」ことさえできる。

posted by 四代目 at 10:37| Comment(1) | エネルギー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする