2011年08月06日

ひっくり返った中国の高速鉄道。政府までもがひっくり返ってしまうのか?かつての常識が通用しなくなった中国。

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中国国民が、自国政府に「唾(ツバ)」した。

中国の高速鉄道事故は、そんな異例の事態へと発展した。

インターネットの調査で、じつに「98%」の人々が、政府に対して「呸(ペイ)」と回答した。



「呸(ペイ)」とは、喧嘩した時などに、相手に「唾(つば)」を吐きかける挑発的な行為だという。

事故に対する今回の中国政府の対応は、民衆にとって、まさに「唾棄すべき」ものだったのである。

政府が圧倒的な支配力を維持してきた中国にとって、こうした国民の「露骨な嫌悪」は、かつて見られたことのないものであった。



中国国民の怒りに火をつけたのは、事故検証もせずに、「事故車両を埋めた」という隠蔽工作であった。

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最新の高速鉄道の事故処理が、「蒸気機関車」時代のような「証拠隠滅」を図ろうとしたのである。

「中国らしい」と世界に失笑されたこの一事は、面子(メンツ)を大事にする中国人にとって、「耐えがたきこと」であった。

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中国の大手メディアまでが、「政府批判」の立場に立ち、政府を痛烈に非難。

中国版ツイッター「ウェイボー(微博)」は、あっという間に「大炎上」。

遺族の「つぶやき」は、全国民の共感を呼び、数日で10万人のフォロワーを得た人さえいたという。



こうした国民の異常な反応に「危機感」を抱いた中国政府は、「態度を一転」。

温家宝首相が事故現場を訪れ、賠償金も2倍(およそ一千万円)に引き上げられた。

そして、多くの遺族は「同意」した。

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ところが、遺族の「懐柔」に成功した中国政府は、またもや「態度を一転」。

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大手メディアには、強力な「報道規制」をかけ、中国版ツイッター「ウェイボー(微博)」の不都合な書き込みをも全削除。

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事故現場には「監視カメラ」や「隠密」のような人々まで配置し、徹底した監視体制を強いた。



この処置に、中国国民は「更なる怒り」を大爆発。

出版を差し止められた記事が、インターネットで公開され、何度削除されても、「ウェイボー(微博)」は延々と炎上を続けた。

もはや、中国でさえも、民衆を「抑圧」できる時代ではなくなっていたのである。

握り潰したと思った指の隙間から、次々と反乱分子は飛び出してしまっていた。



下層民衆の反乱ならば、今まで通りに握りつぶすことができたのかもしれない。

しかし、「中間層」の反発は、予想を超えた力強さを持っていた。

今回、事故に大声をあげたのは、「サイレント・マジョリティ(静かなる多数派)」とされていた「中間層」だったのである。



事故の遺族たちは、高速鉄道に乗るほどに「生活に余裕」があり、「社会的地位」も高い人々であった。

かつて、中国政府は、こうした「静かなる多数派」の目を、「政治」から「経済」へと向けることによって、その支持を獲得してきた。

中間層の人々も、経済的な豊かさを謳歌できたために、政治に対して「声」をあげることはなかった。



しかし、今回はよほどに「腹に据えかねた」のだろう。

政府を陰ながら支えてきた「サイレント・マジョリティ」が、今度は逆に政府の土台を揺るがし始めたのである。

もはや、政府の「脅し」は、かつての「恐怖」を彼らに与えることはできなかった。

なぜなら、インターネットなどを通じて、自分たちの味方が大勢いるということが、大きな自信となっていたからである。

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人々を動かす最大の力は、「恐怖」だと言われている。

実際、中国政府は民衆に圧力(恐怖)を与えながら、一党独裁の政治体制を維持してきた。

ところが今回、民衆は「恐怖」に打ち克ち、「理想」へと動き始めた。

この大きな変化は、中国史の「大きな転換点」となる可能性を充分に秘めている。



中国は変わるのだろうか?

今までは、「恐怖」で抑えられたものが、抑えられなくなってきた。

今までは、国民の目をそらすことができたことも、国民は「直視」するようになった。

尖閣諸島を突っついたりして、「他国」へ転じていた国民の「怒り」は、国内へと向いてきた。



中国は大きくなりすぎたがゆえに、もはや「抑えつけること」や「他に転ずる」ことが不可能になってきたようだ。

家族経営ならば「無理」がきく商店も、全国チェーンともなれば、しっかりした「システム」が必要になってくる。



中国の政権交代は、来年行われる。

そろそろ変化が必要な時期が迫っているのかもしれない。

ハチャメチャなゴリ押し外交も、少しはマトモになってくれるだろうか?




出典:クローズアップ現代
「“ネット反乱”の衝撃〜中国鉄道事故の舞台裏」


posted by 四代目 at 06:52| Comment(1) | 自動車・鉄道 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
福知山線脱線事故
Posted by at 2016年08月21日 09:22
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