2011年07月07日

複雑な金星の動きを、正確に理解していた「マヤ文明」。2012年地球滅亡の論拠ともされる謎の暦をもつ高度な知識。

1999年、ノストラダムスは「恐怖の大王」を予言した。

そして、2012年。世界が終わるという話が、あちらこちらで囁かれる。

2012年滅亡説の大きな論拠となるのが、「マヤ暦」である。



その謎の暦をつくったとされる「マヤ文明」は、ユカタン半島(メキシコ・グアテマラ・ベリーズ)に、2000年(B.C.6世紀〜A.D.16世紀)にわたって栄えた文明である。

現在に残る遺跡や文字から、この文明が高度な天文技術を持ち合わせていたことが判っている。



現代の我々にとって、「太陽と月」が重要な天体であるが、マヤの人々にとっては、「太陽と金星」がとりわけ重視された。

遺跡として残る神殿は、太陽の動きに合わせて建設されている。

「春分・秋分」、「夏至・冬至」などの重要な節目には、太陽が神殿と重なったり(カラクルム遺跡)、不思議な影を現出したりする。

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例えば、天空から舞い降りる蛇「ククルカン」は、春分の日にだけ、その全貌を明らかにする。階段の最下段に設置されたククルカンの頭に、春分の日の太陽が作る階段の影が胴体を添えるのだ。

この壮大な仕掛けのポイントは、神殿が東西南北の方角に対して「21°」だけズレていることにある。

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太陽は規則正しく動くために、その観測は容易であるが、「金星」の場合、そう簡単にはいかない。

地球から見える金星の周期は「584日」だが、金星は東の空を260日以上うろついたかと思うと、2ヶ月ほど消えてしまう。

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そして、再び現れるのは西の空。一通り西の空を巡回すれば、また一週間ほど消えてしまう。そして、584日後には元の場所に現れる。



この一見不規則に見える「規則性」を、マヤの人々は完璧に把握していた。

金星は「チャクエク(偉大な星)」として、その観測を欠かすことがなかったのだ。

地球が太陽・金星と一直線に並ぶ周期(584日)と、地球が太陽を一周する周期(365日)が、8年に一度だけ一致することを示す石碑も残っている。

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金星観測の天文台の遺跡も残る。土台や建物が微妙にズレた設計になっているのは、建物の開口部が、金星や太陽の動きを正確に示しているためである。

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スペイン侵略の際、キリスト教のために、マヤは邪教とされ、ほとんどの書物が燃やされた。それらの書物には、貴重な天文観測の記録が認(したた)められていたという。

わずかに残る書、「ドレスデン・コデックス」には、金星に関する詳細な記述がビッシリと書き込まれている(この書のおかげで、現代の我々はマヤ人の金星の知識の一部を知ることができた)。

当時のスペイン人は、マヤの高度な天文学を理解することができなかった。自分たちが使う暦が最高の暦だと信じて疑わなかったからである。

しかし、マヤの暦は、一年の日数を「365.242」と、小数点第3位まで正確に表していたのに対し、ヨーロッパの暦は、それよりも雑で不正確であった。

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また、マヤの数学もヨーロッパ人には意味不明であった。

なぜなら、マヤの数学は「20進法」であり、より高度な算術であったためだ。

現在の我々には「10進法(一・十・百・千・万)」がお馴染みであるが、なぜマヤの人々は、より複雑な「20進法(20・4百・8千・16万・320万)」を使っていたのか?

それは、20進法の方が、巨大な数字をシンプルに表記できるためである。

マヤの暦は、紀元前3114年からスタートし、この基準からずっと日数を積み重ね続けている。そのため、扱う数字がケタ違いに大きくなってしまうのである。

その膨大な数を処理するには、20進法のほうがケタが少なくて済む。例えば、320万を表記する際、10進法では7ケタ必要になるが、20進法では、5ケタで済む。



金星観測の驚くべき精度は、マヤ人が「金星の日面通過」を捉えていたことにもある。

「金星の日面通過」とは、地球・金星・太陽が一直線に並び、地球から見ると、金星が太陽と重なって、太陽の真上を横切る現象である。

この現象が起きる周期は、243年である。しかも、金星の動きにありがちな不規則な規則性もある。105.5年、8年、129.5年、8年という不規則な間隔で「金星の日面通過」は繰り返される(さらにややこしい事には、この周期は時代により変化する)。

そして、太陽と金星が重なる時間は、長くて6時間程度。マヤ人は、金星の複雑怪奇な動きを把握するのみならず、この短時間の特異な現象をも見逃さなかったことになる。

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前回の金星による日面通過は、2008年6月8日。次の通過は、この8年後の2012年6月6日の予定。

2012年の地球滅亡説は、12月23日が有力だが、この金星がらみの6月6日に注目している人々もいるという。

もっとも、滅亡説の主たる根拠は、マヤ暦による世界の第5時代(紀元前3114年を起点とする)が、2012年に完了することである。



マヤの高度な天文知識の一部は石碑に記され、その8割は解読可能だという。

しかし、スペイン人が燃やしてしまった記録や、未解読な文字のなかに重要なメッセージが隠されている可能性もある。

そのため、我々現代人が、マヤの知識を完璧に理解しているとは言い難い。

もしかしたら、かつてのスペイン人のように、自分達の文明が最上だと勘違いしているだけかもしれない。



マヤの人々は、望遠鏡を使うこともなく、シンプルな石の建造物のみで、天空の動きを読み取っていた。そして、太陽や影という分かりやすい方法で、万民に時を告げていた。

ククルカンの蛇が現れれば、春分だということで、種をまけば良いのである。

より、重要な決断には、金星の動きを参照した。大きな戦いが、金星の日面通過の日を選んで行われた記録も残る。


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我々は、マヤの人々よりも、たくさんの道具を持っているかもしれない。しかし、智恵となると、我々はマヤ人の及ぶところではないのかもしれない。

マヤを知れば知るほど、その偉大さに驚愕せざるをえない。





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出典:コズミックフロント〜発見!驚異の大宇宙〜
「太陽の民 マヤ〜いま明かされる驚異の暦」

posted by 四代目 at 07:08| Comment(1) | 宇宙 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
マヤも利用した金星の周期は、(584日ではなく)約2922日の方だったと思いますが?

金星の公転周期の13倍と地球のそれの8倍がそれぞれ約2922日で 偶然 一致することによるものです。
Posted by ななのたか at 2015年03月05日 17:18
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