日本企業が、外国人をトップに起用するときは‥‥?
「会社が苦戦していて、人員を解雇したり、その他の不快な大変革を行ったりする必要がある時だ」。
その日本人の期待に見事に応えた人物といえば、日産の「カルロス・ゴーン」氏ということになる。
彼は「コスト・キラー」として、「国内5工場を閉鎖し、2万1,000人の人員を削減し、日産の部品供給会社の数を半分に減らした」。
日本人では、「文化的、あるいは社会的な理由から、断行が不可能なこと」も、外国人トップならば、易々と決断し、やられた方も、何となく納得してしまう。
ソニーの「ハワード・ストリンガー」氏も負けてはいない。
ソニーを「動きが遅い」と断じ、正社員を含む従業員のうち、1万6,000人を削減し、頑固な技術屋たちには、無理くり「デジタル・メディアを受け入れさせた」。
ところが、オリンパスのトップとなった「マイケル・ウッドフォード」氏は、少々毛色が違うようだ。
彼は外部からフラリとやって来たわけではなく、30年間オリンパスに勤めてきた。つまり、「生え抜き」でトップに上り詰めたのである。
そのため、会社に対する「思い入れ」は人一倍強い。
3.11の大震災のとき、幾多の外国人が日本を脱出したが、イギリスにいたウッドフォード氏は、真っ先に日本へ飛んで戻ったほどである。
日本人を理解するウッドフォード氏は、「調和と合意」の重要性を認めながらも、「厳しく異論を述べること」を躊躇しない。それが、「良い意思決定への道」だと信じているのである。
一つ面白いのが、ウッドフォード氏が日本語を話さない理由である。
ソニーのハワード・ストリンガー氏の日本語が、「赤ん坊のような話し方だ」と言われたのを聞いて、彼は日本語を学ぶことを止めたという。
なぜなら、「日本人は、言葉を話すのが下手なら、すべてが下手だと思ってしまう」からだそうだ。
日本人が、カルロス・ゴーン氏やハワード・ストリンガー氏に求めたことは、行き詰った企業に対する「荒治療」だった。その期待に応えるように、彼らはリスクの高い治療を見事に成功させた。
ところが、オリンパスのウッドフォード氏に対する期待は、日本企業を世界へとつないでくれることだという。「海外子会社を、よりうまく統合し、有能な外国人の人材を引きつける」というのが、最大の狙いだそうだ。
ウッドフォード氏の建て直した「欧州事業」は、いまや「オリンパスの全世界の利益のほぼ半分を生み出している」。
かつては、バッサバッサと切り刻んでくれることを期待された外国人トップも、今度は、世界をうまく縫い合わせてくれることを期待されているようだ。
2011年07月06日
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