2011年06月06日

消費税は高齢者のためにある。儒教思想に根ざす論理と、その矛盾。

日本の政治家にとって「鬼門」にあたる「消費税」。

現在5%の消費税を、2倍の10%に「増税」しようという話である。



「消費税」の使い道は、明確に定められている。

「高齢者3経費」に使われるのである。

高齢者3経費とは、「年金」「医療」「介護」である。



要するに「社会保障」の費用である。

「高齢者3経費」は、社会保障費の「約6割」を占める主役級存在。

日本の税金は、半分以上が社会保障に使われている。

zei1.jpg

現在の消費税による税収は「6.8兆円」。

この収入額は10年前とほとんど変わらず、ずっと7兆円前後で推移している。

この先の10年も、過去10年と同じ「横ばい」が続くと見られている。



ところが、「高齢者3経費」は、10年前に比べ右肩上がりに「ほぼ倍増」。

この先の10年では、さらに現在の1.5倍の規模に膨れ上がると見られている。

日本の高度成長期のGDP顔負けの「急成長」である。



実は、高齢者3経費に充てられる「消費税」は、最初から足りていなかった。

10年前の不足分は「5,000億円」。現在の不足額は「9.8兆円(10年前の約20倍)。

今後10年に見込まれる不足額は「16.3兆円(現在の約1.6倍)」

まったく危機的な状況であり、ほおっておけば悪化の一途である。

zei2.jpg

最初から足りていなかった「消費税」構想。

小さな問題が、いまや20倍に猛拡大。問題の「先送り」が招いた結果である。

千里の堤も「アリの一穴」から崩れるということを忘れてはならない。



高齢者のために使われる消費税。

その理解を得るためには、「儒教」的思想が必要である。



「儒教」とは、古代中国において「孔子」が説いた教えであり、現代の「道徳」にあたる。

「孔子」の言行を弟子達が記した書物が、「論語(子曰く〜)」である。



「儒教」の説く人間関係は5つ。

父子・夫婦・兄弟姉妹・友人間・統治者と民衆間

この内、とりわけ重視されるのは、「父子」関係。具体的には、「年上の人を敬(うやま)う」ということである。

儒教世界において、一番偉いのは「老人」ということになり、若者が稼いだお金を「老人」のために使うというのは、「尊い行為」となる。

これは、まさに消費税の論理と軌を一にする。



現在、儒教の祖「孔子」の「論語」を、子供たちに読み聞かせることが流行っているという。

儒教思想は、老人を助ける。子供たちに儒教を教えるということは、のちのち老人となる自分たちのためにもなる。

「論語ブーム」は、少子高齢化社会における、無意識の防衛反応なのかもしれない。



しかし、ここで強調しておくのは、儒教は「徳治」政治が基になっているということである。

「君主は道徳的に卓越していなければならない」

ペテンとも思える、先頃の国家元首の言動はどうか?小学生並みに「言った、言わない」をワーワーやりあっている。

これは、「政治の倫理」を説く儒教が、強く否定するところである。

「徳なくば、人従わず」。まず自己の完成があり、次に他者の完成。そしてようやく社会の完成がある。

国家元首の範なくして、儒教的思想は唱えることはできない。



データをならべて説得しようとする試みは、じつにアメリカ的である。

アメリカ的思想は、個人の責任に根ざすもので、その帰結は「低福祉国家」であり、老人を敬うという儒教的思想の対極をなすものである。



つまり、徳のない人物(政党)が、がんばって数字を掲げても、消費税増税の大儀はえられない。

むしろ、数字を力説すればするほど、消費税の大儀からは遠ざかってゆくこととなる。

この美しき矛盾があるかぎり、消費税増税の論議は、空を舞うのみである。



出典・参考:儒教(Confucianism)

時論公論 「“消費税10%提言”の課題」
posted by 四代目 at 06:05| Comment(0) | 政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。