2011年06月03日

世界で初めてエベレストを征服した女性は「日本人」であった。田部井淳子の偉業。

「田部井淳子(たべい・じゅんこ)」

山好きにとって、この名は燦然(さんぜん)と輝いて響く。

世界最高峰、エベレストに挑戦し、「女性」として、世界で初めてエベレストの頂に立った女性である。

今から36年前、1975年の快挙であった。




エベレストに登るには、個人の力量もさることながら、びっくりするほどの「お金」が必要である。

当時の女性の初任給は「4万円」。登山に要した費用は、その1,000倍以上、「4,300万円」。

車のシートを切って、自作「手袋」をつくるほどの節約を強いられた。

世界初の快挙を成し遂げた女性登山隊は、世界一の「貧乏」登山隊でもあったのだ。



血のにじむような4年間の準備期間。

ようやく一行は、ヒマラヤのベースキャンプにたどり着く。

yamae.jpg

あの悲劇はここで起きた。



ジェット機のような爆音とともに、巨大「雪崩(なだれ)」が発生。

夜の出来事であったため、全員テントで眠っていた。

逃げる間もなく、巨大雪崩は、そのテント村を飲み込む。

15人の女性隊員のうち、13人が重軽傷という惨事となった。



「日本女子隊がヒマラヤで遭難」

「女性初登頂は絶望的」

新聞は、この話題で持ちきりであり、記事を読んだ100人中100人が、諦めた。



ところが、女子登山隊の執念は「ヘビ」よりも深かった。

「今までの4年間を無駄にしてなるものか!」

まさかの頂上アタック決行。



結果は周知のとおり、見事すぎるものであった。

yama1.jpg

山頂に立ったのは「田部井淳子」。

ここに世界初の偉業が成された。



当時、彼女には3歳になる娘がいた。

娘の誕生日、田部井はヒマラヤにいた。

娘に一筆、ヒマラヤからハガキをしたためる。

「誕生日おめでとう」。

yama2.jpg

彼女の娘は、この手紙を今でも大切に持っている。



田部井は、エベレストだけで終わる女ではなかった。

1991年には、女性で世界初、七大陸最高峰の登頂者になり、偉業に偉業を重ねた。



今回の番組で、NHKのアナウンサーに「エベレストの登頂、すごいですね」と感心された田部井。

「若気のいたりです」とアッサリ返す。



山を登る人たちは、一様に「気取り」がない。

世界的な偉業を成しても、一見、そう見えない。

山というトンでもない巨人の前に、人はあまりにも小さい。

自分よりも大きな存在が、常に目の前にあると、おのずから謙虚になれるのかもしれない。



今までエベレストの頂上に立った日本人は、142人。

世界では、アメリカに次いで多い数字である。




出典:世界の名峰 グレートサミッツ
「世界最高峰エベレストに挑む」
posted by 四代目 at 09:36| Comment(0) | 山々 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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