2011年06月01日

怒れる市長が、津波の町を救う。福島県相馬市、復興への道。



日本には鎌倉時代より700年以上続く「名家」がある。

薩摩の島津家、盛岡の南部家、そして福島の相馬家。

相馬家は平将門の子孫といわれている。



現・相馬市の「立谷市長」は、その名家・相馬家の家臣の末裔である。

立谷市長は、果断なるリーダーシップで、震災被害を最小限に食い止めた市長として、高い評価を受けている。



立谷市長が、復興プランを完成させたのは、地震発生から、わずか12時間後。夜を徹して、一気呵成に練り上げた。

地震の翌日には、空きアパートを全て押さえ、仮設住宅を確保していたというスピード感である。



3日後には、被災者に3万円ずつを配り始める。

「お金をもらえるから、みんな申請に来る」と立谷市長。

来た人への聞き取り調査により、相馬市の被災の状況が手に取るように明らかになり、このときのデータは、後々の貴重な資産となった。



立谷市長のキャラは、怒りキャラ。

避難所の住民に不平不満を言われたら、怒る。

「お前ら、ここで寝ているんだろ。俺は被災対策でこれだけやってんだ!」

住民の不満をすべて聞いていたら、「大きな目標を見失ってしまう」と明快だ。



ボランティアにも手厳しい。

ある政治家が避難所で「洗濯機」を希望され、それを送ってきた。

立谷市長は、すかさず噛みつく。

「洗濯機を配るなら、すべての避難所に配らなければならない。全体がみえていない人たちが一部の人だけに勝手なサービスをするというのは、一番困る!」

不公平を生み出すような「善意」は善意ではない。

役に立たないボランティアには、とっとと帰ってもらうそうだ。



じつのことろ、「怒(いか)れる」立谷市長は、仮の姿である。

市長がカンカンに怒っていれば、全体の統制が利きやすく、部下が動きやすいのだという。彼流の思いやりなのである。



大地震の揺れ直後、多くの漁師が港に駆け込み、史上最大の大津波に向かって船を走らせたという。

船を港に停泊したままでは、むざむざと津波にやられる。

船を守るため、一か八か、大津波を乗り越えようとしたのだ。

残念ながら、死んだ漁師もいる。

しかし、漁師たちにとって、船のローンとはそれほどの重荷であったのだ。

そんな漁師たちに、新たなローンを組んで、漁を再開せよというのは、非常に酷なことである。

怒れる市長は、無思慮な外野に憤慨する。



震災被害で、立谷市長が、とりわけ心を痛める死があった。

津波の避難指示を知らせるために、消防団員が集落を回って「逃げろ、逃げろ」と、必死で住民を誘導する。

津波の姿が見えてくるや、ますます必死になり、消防車から降りてまで、住民を高台へと逃がそうとする。

結局、9名の消防団員が死亡。

彼らは、その気になれば、消防車で逃げられたはず。

9人の消防団員は、民間のボランティアにもかかわらず、己の信念に殉じたのである。

真のボランティア精神がここにある。怒れる市長は生半可なボランティアを決して許さない。



こうした有志の献身により、津波の被害をうけた地域の住民の「9割」が命をつないだ。

津波被害地としては、圧倒的な生存率である。



怒れる市長は、9名の消防団員の死に、強く責任を感じている。

「住民を逃がせと命令したのは俺だから‥‥。」



亡くなった消防団員たちには、子どもがいた。11人いた。

立谷市長は、そうした子どもたち(市全体で47人)に補償を確約する。

子ども達が18歳になるまで月々3万円を支給する条例を即座につくった。



「子供を強くするには『教育』しかない」

「この子たちを全員、東大に入れたいと思っている」



怒れる市長の「人望」は厚い。

福井県敦賀市の市長は、自らトラックの助手席にのって、支援物資を持ってきた。

「車がないから中古車をくれ」と言えば、沖縄とつくば市から、すぐに車が届く。



「全国に友達がいっぱいいる」という立谷市長。

相馬市に大量に集まる支援物資を、近隣の自治体に配るのに忙しい。



怒れる市長は、今日も気を吐きながら、果敢に前進していることだろう。




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posted by 四代目 at 07:54| Comment(1) | 地震 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
笑わせるな
Posted by 相馬市民 at 2012年12月19日 23:43
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