2011年05月25日

日中戦争を勝利に導いた、中国の世界戦略。

「中国は負け続けなければならない」

1937年に始まった「日中戦争」のさなか、こんな大胆な発言をしていた中国人がいた。北京大学の「胡適(こてき)」という学者である。

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その意図は?

「ソ連」と「アメリカ」を戦争に巻き込むためであった。

「胡適」によれば、中国一国のみで「日本」に対抗することは「不可能」。日本に勝てるのは「ソ連の陸軍力」と「アメリカの海軍力」しかないと考えていた。

当時の日本は、それほどに強大な軍事力を有した国家だったのである。



陸・海ともに、世界最強レベルにあった日本は、中国は「弱い」とバカにしていた。軍首脳から一兵卒、一般市民にいたるまで、それは共通認識であった。

ところが、中国は予想以上に強かった。ドイツから軍事顧問を招き、兵力の近代化を図っていたことが効を奏していた。

思わぬ苦戦を強いられた日本。

中国との戦闘は長期化し、ついにはアメリカとの戦争が始まり、結局はソ連も参戦。日本は降伏せざるをえない結末を迎える。



歴史の結末をみれば、「胡適」の意図通りに戦争は進んだ。

負け続けた中国は、アメリカを引っぱり出し、ソ連を引っぱり出した。そして、最終的には勝利を収めた。

「世界を巻き込む」という遠大な計略は、見事に成功したことになる。



日中戦争に対する日本の「大義名分」は、「東亜新秩序」と呼ばれた。

アメリカの「資本主義」ではなく、ソ連の「共産主義」でもない。「第3の道」である。

朝鮮、台湾、中国、満州国を含めて、東アジア全域を豊かな経済圏にして、「東亜永遠の安定」を目指すという、たいそうなものであった。

第二次世界大戦後、世界はアメリカ陣営とソ連陣営に二分され、両陣営は朝鮮戦争、ベトナム戦争とアジアを苦しめ、その後遺症は現在まで続いている。

もし、日本がこの2大勢力に割って入り、「第3の道」を示せていたら、と考えるのも面白い。

しかし、大国を自認し傲慢になっていた日本。そんな国がどんな立派な理想を掲げようと、他国にとっては「押しつけ」以外の何物でもなかった。現在のアメリカの「押しつけ」と何ら変わるところがない。



現在の世界において、ソ連の「共産主義」はすでに崩壊し、アメリカの「資本主義」も怪しくなりつつある。

「東亜新秩序」ではないが、必然的に「第3の道」を世界は必要とし始めている。

新しい秩序とは、どんなものであろうか?



出典:さかのぼり日本史 昭和 とめられなかった戦争
 第3回「日中戦争 長期化の誤算」
posted by 四代目 at 04:58| Comment(0) | 第二次世界大戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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