今年の夏が暑くなるのは確実である。
電力不足により、エアコンの設定温度が上がるのが確実だからである。
対策のひとつとして「地中熱」が注目されている。「今から工事しても夏までに間に合う」という施工のスピードが魅力だ。住宅なら工期は1ヶ月である。
「地中熱」は、「地下約100mまで掘削、埋めたパイプに水を循環させ、地上のヒートポンプで温度調整を行う」。冷房の電力を3分の1に削減できる。
地下100mの世界は「夏涼しく、冬暖かい」。地下世界の温度は、地上とは逆である。地中熱はこの温度差を利用するのである。
「地中熱」は海外で広がり、日本では「北海道や東北」を中心に普及しているという。
普及の妨げとなっているのは「300万円(住宅の場合)」という価格。しかし、設備の「寿命が長い」ので、長い目で見れば充分もとはとれるという。
太陽や風力の発電は「天候に左右される」が、地中熱は「気候に関係なく、24時間安定して使える」という魅力がある。
いまだ知名度が低いため、普及のスピードは遅いものの、今後普及が進めば、施工費用が下がる期待もある。
政府は企業を中心に「補助」を始めた。脱原発に向けたエネルギー革命は、ゆっくりと前進中である。