2011年05月22日

インターネットが示唆する、医療の明るい未来

2010年、「小児ガン」の薬として期待される物質が発見された。

300万もの候補から、この物質は選び出されたわけだが、その計算量は膨大であった。普通のパソコンでは8000年かかるという絶望的な計算量だった。

ところが、その計算はたった2年で済んだ。



カラクリはこうだ。

まず、インターネットで計算に参加してくれる人を募集する。

次に、ボランティアの人に「小分けされた計算」を送信し、自宅のパソコンで計算してもらう。もちろん、人間の頭で計算するのではなく、コンピューターが自動で計算する。そして、得られた結果を送り返してもらう。

8000年かかる計算も、8000台のパソコンでやれば1年でできるという理屈だ。



このプロジェクトは「ファイト!小児がんプロジェクト」として、現在も進行中である。

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パソコンを使っていない時間に、パソコンの計算能力を提供することにより、世界中の誰でもが「小児ガン」の克服に貢献できる。

ふつうの人であれば、一日に数時間パソコンを使う程度で、ほとんどの時間、パソコンは眠ったままだろう。世界中には無数の眠ったパソコンがあるわけで、その潜在力は膨大である。

現在、世界中で数十万人の人がこのプロジェクトに参加している。



医療といえば、「象牙の塔」とも揶揄されるように、一般人には手の届かない存在であった。

ところが、インターネットの発展により、一般人にも医療に参加する道が開かれつつある。各個バラバラに孤立していた「象牙の塔」は、インターネットという「空中回廊」により、自由に行き来できる可能性が見えてきた。



本来、個人の経験は「個人の枠」を出ることはなかったが、インターネットで情報を共有することで、みんなの智恵として活かすことができるようになった。

薬の「副作用」がそうだ。

患者が副作用を医師に告げ、医師は製薬会社に、製薬会社は厚生労働省にという、七面倒くさい仕組みにより、現場の声が反映されるのは、ナマケモノの歩みよりも遅かった。

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ところが、患者が自分の感じた薬の副作用をインターネット上に書き込めば、あっという間に膨大な量のデータを集めることができる。慶応大学あたりが実用化に向けて開発中らしい。

医師同士も気軽に情報交換することで、「やってみなければわからない」ということも少なくなるそうだ。



超高齢化社会一直線の日本にとって、医療の効率化は至上命令である。いつまでも少年ジャンプほど分厚いカルテを手書きしているヒマはないだろう。




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出典:ITホワイトボックス
「ITが導く“みんなの医療”」

NHKオンデマンド


posted by 四代目 at 12:32| Comment(0) | IT | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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