まだまだガソリン車の延長線上にあるに過ぎない。
ガソリン車の常識の範囲内では、
電気自動車がガソリン車を越えることはできない。
とくに加速度、走行距離などの問題だ。
しかし、発想を変えたことにより、
ガソリン車よりも鋭く加速し、
長時間走れる電気自動車が眼前に現れた。
慶応大学が主導するベンチャー企業、
SIM-Drive(シム・ドライブ)が開発した、
試作第1号車『SIM-LEI(シム・レイ)』である。
この車の最大の特徴は、
モーターが4つのタイヤの中に入っていることだ。
「イン・ホイール・モーター」という技術である。
そのため、エネルギーの損失が少なく、
構造も極めてシンプルになった。
やはり、電気自動車にとっては、
いかに少ないエネルギーで走るかというのが課題である。
車体を極限まで軽量化し、
空気抵抗を極力減らさなければならない。
この車の外観を初めて見ると、
その奇異な形に、強い違和感を感じる。
車の後部が、妙にすぼまっている。
従来の車は、ネコ科の動物をイメージしたものが多いそうだが、
この車は、魚をイメージしているのだとか。
この形にすることで、乱気流の発生が抑えられ、
結果、車体が受ける空気抵抗が小さくできるのだそうだ。
現在、最も空気抵抗が小さい車はプリウスだとか。
この電気自動車「シム・レイ」は、
どんな「小さなところでも造れるように」と開発されている。
その構造のシンプルさは、
既存の自動車産業の構造さえ変えてしまうかもしれない。
大手メーカーを頂点とする裾野の広い産業形態から、
小さな山がたくさんできる産業形態へ。
そして、エネルギーに関しても、
化石燃料が基準となっているうちは、
産油国、そして大手メジャーの独占は拡大する一方だ。
電気は太陽や風からでも作れる。
ここ100年来の化石燃料を軸とした世界経済は、
そろそろ変わっても良い頃なのかもしれない。
出典:NHKドキュメンタリーWAVE
「タイヤにモーターが入るとき〜密着!新型電気自動車」じ

